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【働き方】2020 年上半期のリモートワークを振り返る

リモートワーク

はじめに

キラッキラしたイケてる Web 系エンジニアみたいに、軽快なバックグラウンドミューズィックが流れるシャレオツなカフェや自宅のデスクで MacBook を開き、クールなフェイスでホットなラテを飲みながら颯爽とコードを書きたい。

そう思っていた時期が僕にもありました。

近年は現実を知ったこともあり、今は自分にできることを積み重ねていこうと心に決めたわけですが、それでもずっと思っていたことがあります。

リモートワークがしたい!!

時は金なり (Time is money) と昔の偉い人が言った通り、自宅と会社の往復に毎日 2 時間以上かけるのは、どう考えても時間を無駄にしています。

そうは言っても SES を生業とする SIer の弊社は、多くのケースにおいて常駐先の勤務体制に従うほかなく、リモートワークは夢のまた夢という感じでした。

しかし 2020 年に入り、受託開発やコロナ渦による影響で思いもよらずリモートワークをする機会を得て、フルではないものの一部リモートワークを 7 月現在も約半年間続けることができているので、ここで一度振り返りをしておこうと思い、このエントリーを書いています。

リモートワークの内容

受託開発

期間 時間 場所 備考
2020 年 1 月 ~ 4 月 定時後 (残業扱い) 自宅 フルリモート (必要に応じて対面でのミーティング)

2020 年 1 月下旬、普段は客先常駐のプロジェクトに参画している僕ですが、それと並行して受託開発のプロジェクトにリモートワークで参画することになりました。

開発環境は Google Cloud 、メンバーとのやり取りは Slack を使用し、会社から帰宅後に自宅でリモートワークという形です。

作業する日と時間は各自の裁量に一任されましたが、 36 協定を遵守した残業扱いなので決して違法ではありませんw

約 3 ヶ月間のプロジェクトで初めてのリモートワークでしたが、日中は普通にフルタイムで会社に出社しているので、感覚的には自宅でプライベートなコードを書いている時とあまり変わらなかったです。

個人開発と違う点は、チーム内でコミュニケーションを取りながら開発を行う必要があることと明確にスケジュールが決まっていること (納品する相手がいるという意味) で、チーム内でのコミュニケーションについてはいくつか課題もありました。

課題があるとはいっても、肝心のプロジェクトの方は初めてのリモートワークにも関わらず無事にリリースまで完了し、リモートワークでも十分結果が出せるということを証明できました。

【課題】チーム内コミュニケーション

裁量労働によるコミュニケーションロス

コミュニケーションツールとして Slack を使用しましたが、 普段の常駐先プロジェクトでも MicrosoftTeams を使用しているので、ツールの違いによる影響はほとんどありませんでした。

問題はツールではなく運用する人の側にあり、作業する日と時間が各自の裁量に任せられたことで、優先度の高い確認事項があったとしても返答がいつ来るか分からないということが度々発生しました。

これが定時内 (所定の就業時間内) を前提としたリモートワークであれば、当日中か遅くとも翌営業日には何らかの返答を期待できますが、定時後の残業扱いとなっている以上、連絡した相手がいつ確認するか分かりません。

そもそも残業時間のみを前提とした働き方がイレギュラーだというのは重々承知していますが、顔の見えない非同期コミュニケーションにおいて、いつ返答がくるか分からないのはなかなかストレスが溜まるものでした。

SlackTeams はメンバーのログイン状況が分かるようになっているので、双方がオンラインであればチャットはとても有効なコミュニケーションツールになりますが、一方がオフラインの場合はチャットもメールも、なんなら留守録のメッセージであっても、いつ気付いて返信をくれるか分からないという点においては大差無いということになります。

これはリモートワークに限った話ではありませんが、裁量労働のフルリモートワークでは、他者へ確認・調整が必要なことは先を見越して事前に連絡を済ませるなど、自分の作業が円滑に進むようにセルフマネジメントを行うことが特に重要だと感じました。

今回はコミュニケーションツールとして Slack しか使用しませんでしたが、次回からは緊急度に応じた複数の連絡手段を用意したり、チーム内で各メンバーの数日~ 1 週間先くらいまでのスケジュールを共有するなどの、ガチガチにならない程度の運用ルールを決めるべきかと思います。

SES

期間 時間 場所 備考
2020 年 5 月 ~ 継続中 定時内 自宅 週 2 ~ 3 日 (残りの平日は出社)

2020 年 4 月、新型コロナウイルス (COVID-19) の影響により発令された緊急事態宣言を受け、僕が参画するプロジェクトも客先の意向で 5 月中旬から本格的にリモートワークの導入が始まり、 7 月現在も週 2 日は自宅でリモートワークを行っています。

SES でリモートワークってあまり聞いたことが無いと思いますが、貸与されたノート PC から VPN で社内ネットワークへ接続して業務を行うため、開発環境やその他は出社した場合と比べて何ら変わりありません。

勤務時間も出社時と同様なので、リモートワークであっても定時内はメンバー全員がオンラインになっています。

コミュニケーションツールは MicrosoftTeams を使用していますが、前述の受託開発プロジェクトとは違い、コミュニケーションロスはほとんど発生していません。

現時点での唯一の課題は、社内ネットワークへの接続とセキュリティを確保するための VPN が非常に低速な (そもそも社内ネットワーク自体も遅い) ことで、実用上に大きな問題は無いものの、 Teams のビデオ会議はネットワーク帯域を圧迫するという理由から使用が禁止されています。

未だ新型コロナウイルスの問題は収束しておらずリモートワークの終了時期は未定ですが、あくまでも緊急的な措置としてのリモートワークなので、おそらく今以上の環境の改善は期待できないと思います。

しかし、前述の受託開発と同様、リモートワークであっても環境さえ整えば、出社時と比べて遜色ないパフォーマンスを発揮できるということが分かりました。

【課題】ネットワーク (通信環境)

ネットワーク帯域幅の不足

リモートワークでは作業の多くがネットワークを介して行われることから、十分なネットワーク帯域幅が確保されていないと、それがボトルネックとなって業務に支障をきたす可能性が出てきます。

自宅でリモートワークをする場合、一般的には 1 Gbps 以上の光回線のインターネット接続を契約しているケースが多いと思いますので、その点は問題無いと思います。

しかし、多くの企業はセキュリティ等を考慮して VPN専用線を使用することが前提となっており、その帯域幅が問題になってきます。

この問題の難しい点は、ネットワーク帯域幅の確保はコスト増に直結するため、個人やチームではなく会社を動かさなければならない点にあります。

これはシンプルな割に解決が難しく、いかに会社の上層部を説得できるかがポイントになります。

リモートワークをしてみて

単純な感想

前々からリモートワークがしたいと考えていた僕が、実際に約半年間のリモートワークをしてみて言えることは、

リモートワーク最高~~~~~~~~~

リモートワーク最高

の一言に尽きます。

朝ご飯はちゃんと食べられるし、子供を学校に送り出すこともできるし、仕事中に淹れたての珈琲は飲めるし、疲れたらゴロンと寝っ転がれるし、何より通勤時間がゼロになるので今まで通勤に充てていた時間を有効活用することができます。

業務上の問題も現時点では出ていないですし、個人レベルの話ではありますが、部分的なリモートワークであれば導入は難しくないなと思いました。

リモートワークのメリット

通勤時間がゼロ

通勤時間がゼロということは、今まで通勤にかかっていた時間を別のことに充てられることを意味します。

単純に自分の時間が増えるので、勉強をするもよし、家族との時間を増やすのもよし、体調が悪いときは休息を取ることもでき、とにかく QOL が爆上がりします。

また、エンジニアであれば仕事モードの集中力を保ったまま、業務での開発から個人開発へシームレスに移行できることにメリットを感じる方もいるのではないでしょうか。

次で述べている私用 PC の併用もあり、アウトプットの時間と質の確保にも大きく寄与します。

私用 PC を併用できる

今まで、有用な情報が記載されているサイトのブックマークや公開情報をまとめた自分用資料は会社の PC にしか存在せず、たとえ個人情報などの機密情報が含まれていなくても、持ち出しや印刷しての持ち帰りは不可能でした。

また、 SES では多くの場合、外部ネットワークへのアクセスが監視・制限されており、下手なサイトにアクセスすると呼び出されて事情聴取を受けることも間々あります。

業務要件や規則によって違ってくるとは思いますが、リモートワークであれば業務用に PC を貸与されていても、調べものは私用 PC を使用することができるので、調べた公開情報を自分の PC に残して、あとで改めて勉強のために見返したりまとめたりすることができます。

これは客先常駐による弊害の一つで、自身のスキルアップを妨げる一因にもなっていましたが、リモートワークではキレイさっぱり取り除かれました。 (スキルアップできるとは言ってない)

リモートワークの課題

ここはあえてデメリットではなく解決が可能な課題と書きますが、今後想定されるものとしては 新人教育 が課題の一つになってくるかと思います。

今回のリモートワークはすべて見知ったメンバー同士のプロジェクトであったため、たとえ顔が見えなくてもテキストから大体の表情や口ぶりまで想像することができましたが、新規参画メンバーやそれこそ新入社員を相手にする場合は相当な配慮が必要になるでしょう。

顔の見えない相手と非同期的にテキストベースでコミュニケーションを取るには、誤解を与えない言い回しや簡潔に用件をまとめる文章力などに加え、相手の心情を汲み取る気遣いも要求されます。

特に教育の場にあっては、対面であれば態度や雰囲気から相手の理解度などを何となく察することができますが、リモートワークではそうもいきません。

教えた内容の理解度を都度確認する、教育を受けている側も態度や表情では何も伝えられないので、はっきりと「分かった」「分からない」の意思表示をするなど、人によっては遠慮してしまうケースが出てくるかもしれません。

そもそもすべてをリモートで行う必要はないので、集合教育やビデオ会議も適宜取り入れ、チームに合った最適解を見付けることが大切なんだと思います。

おわりに

この半年間の体験は、何故今まで律儀に出社していたのかと後悔さえしてしまうほど (規則だからです) で、リモートワークの魅力を感じるには十分過ぎるものでした。

同時にいくつかの課題も見えてきましたが、これらは解決不可能な問題ではなく、個人やチームの努力と会社の協力さえ得られればいくらでも解決は可能です。

今回振り返った内容を踏まえ、 2020 年下半期は弊社の正式な制度としてリモートワークを導入できるように、働きかけを行っていく所存です!

弊社では、というか僕が、一緒に開発エキスパートチームを作ってくれる仲間を募集しています!

現在構想中の開発スペシャリストチーム (名前ブレブレ) は、各領域のエキスパートをメンバーとする少数精鋭チーム (予) で、リモートワーク (予) 中心に開発を行うことを予定しています (すべて予定)。

気になる方は是非ご連絡をお待ちしています ٩(ˊᗜˋ*)و